オーディオ DACとピュアオーディオをデジタル接続する

今回は正確なDACを使用し、さらにDACとコントロールアンプ間をデジタル接続したフルデジタルの音を評価しました。

久米島ホテル近くの海岸よりトンバラ方面<Photo Data>2016/01/29
久米島イーフビーチ、中央左手はトンバラ

EOS5D Mark2 EF24-105mm f/4L IS USM f4.0、1/2000

 

下図は検討したオーディオブロック図です。DACはオーディオ機器に接続しやすいXLR入出力を装備しているRME社の Babyface Proを使用しました。

ブロック図一点鎖線より上がピュアオーディオ系、下がAVシステム系です。

自宅AVシステム構成2(1)CDトランスポート化
一つ目の検討はSACDプレイヤーのトランスポート化です(内部DACを使用しません)。プレイヤーはマランツSA11-S3を使用しました。
トランスポートとDAC間、及びBabyface Proとコントロールアンプ間の入出力ともデジタル(オプティカルケーブル)コネクトです。
オプティカル接続は電気的にアイソレートされ機器ノイズ遮断に有効です。

評価に使用したコントロールアンプはアキュフェーズC-2000です。AAVAを装備し、現在セパレート型でデジタル入力ができるのはC-2000かC-2110だけです。C-2000のデジタル入力ボードはDAC-30を使いました。
使用したオプティカル信号のフォーマットは全てSPDIFです。
SACDプレイヤーからのアナログ接続が存在する場合、迂回経由のノイズ影響を排除するため取り外してテストしました。

(2)USB-Audio
もう一つは、PC-Audio(USB-Audio)のデジタル接続です。
USB接続はどうしてもPCのバスラインノイズを受けます。このノイズ対策として、USB BUSラインにオーロラサウンドのBusPower Pro2、さらにBusPower Pro2への電源ラインに120VAのアイソレーショントランスを挿入しました。
下は接続テスト中の写真です。上部にアイソレーショントランス、右下にBabyface ProとBusPowerがあります。

IMG_0441音楽ファイルはCDと同じ16bit/44.1KHz Apple ロスレスフォーマットとしました。非圧縮形式なら他のフォーマットでもいいと思います。

音楽アプリは、Mac OS X10.9.5上でiTunesで楽曲を管理し Audirvana Plus Integerモードで再生させました。
16bit/44.1KHzのPCM信号は、PCで24bit/192KHzにアップサンプリングされ、Babyface Proで受けて、C-2000のDAC-30にもデジタルで伝送します。
BabyfaceProは192KHzの表示になります。C-2000のDAC-30では96KHzにダウンコンバートされて受けていると思われます。

評価コンテンツは下記のものを使用しました。Tiffany with Hank Jones Trio Plus(ベースと打楽器)
FUYUMI SAKAMOTO Love Songs(冬美さんのサ行)
THE BROTHERS FOUR STAR BOX(男性Vocalのデジタル分解音)
Symphony No.7(No.8) in B minor, D759 “Unfinished”(オーケストラの楽器の位置)
Symphony No.5 in B-flat major, D485 Otmar Suitner Staatskapelle Berlin(弦楽器)
Ryoko Moriyama 40th Anniversary Best DISC1 & DISK2(良子さんのLiveとの比較)

<ヒアリング>
最初はCDトランスポートの音です。
Tiffanyはボーカルがハスキー寄りに出てきたため駄目かなと感じましたが、ウッドベースの音はドスンと力強く、低域から高域までアナログでは出ない押し出しのある鳴り方です。
S/NはC-2000にXLRアナログ接続した場合に比べより静寂で空気感が出ます。
重なりの評価として、たとえばギターのコードも適切な長さで収まり、丸まった感じはありませんでした。
デジタルぽさも無く、冬美さんのサ行もとがりが無くずきれいに再生され、ジッターも無いように思います。

BabyfaceProを介したSA-11S3トランスポート+C–2000 DAC-30のDD接続は、非常に解像感の高い再生が出来ています。透明度も高く且つ切れがある音です。
またSA-11S3の内部DACの音はマランツトーンです。この音も欠点を感じません。ここは好み次第でしょうか。

USB-Audioを音源とするDD接続は静寂できめ細かく、しかも余韻があります。バックの演奏の弱音も消されることもなく音がまとまってしまう傾向はありませんでした。

<セッティング>
Babyface ProとBusPowerPro2はTAOCのボードに載せてやっと芯のある音になりました。BabyfaceProは振動影響を受けやすく、音質はラックの振動対策次第です。
対策後は低域も高域も一層音像が明確になりました。
BabyfaceProのセッティングはラックに素雪駄だけですが上質のボードに載せインシュレーターで浮かすのが良いかもしれません。

<PC>
使用したPCはMacbookProです。このPCはUSBポートが2個しかありません。同ポートにUSB電源を使用するタイプのHDDをパラでつなぐとカレントオーバーでシステムダウンとなりました。
電流容量のあるデスクトップiMacの方が良いのですが、視聴者側にデスクトップの画面があるのは音を遮断するため、小型の12”MacBookProとしました。
TimeMachineバックアップは、時々USBオーディオ用のケーブルを外しバックアップタイムを取るようにしています。

<その他>
Babyface ProのUSB-B端子は嵌合が少しあまく、ケーブルはAuメッキタイプのオヤイデd+ Class Aにしました。このケーブルはフラット調の音です。
光ケーブルはジッターを可能な限り小さく伝送させたいので、BabyfaceProのイン・アウトはSAECのOPC-Z1 1mを使用しました。

<リッピング>

PC-Audioの管理アプリはiTunes、リッピングはXLDを使用しました。XLDは無償でダウンロードできます。XLDのインストールや使用方法は詳細な解説がありますので参照されると良いでしょう。
また、今回リッピング用の外部ドライブはパイオニアBDR-XS06JMを使いました。読み取りを良くするピックアップやPureReadという機能などが良さそうです。
Hybrid版のCDパートは音があまりよくありません。SACD/CDの2層メディアのCD部をリッピングしてみたところ、PCの内蔵ドライブではやや平坦調となりますがXLDとパイオニアドライブの組み合わせでは情報量がアップしており、音の分離や厚みも改善されていました。(by Chopin Ballade, Liszt Piano Transcripttions 河村尚子)。

ついでに2枚組CDの1枚目をiTunes+内蔵DVDドライブ、2枚目はXLDとBDR-XS06JMでリッピングして比較したところ、明らかに後者が高音質です。
XS06はBlu-ray用です。再生ソフトを追加してMacでもブルーレイを見ることが出来るようになります。(ブルーレイ焼き込みソフトはToastが外付けドライブに同梱されています。)。

<再生アプリ>
再生アプリはジッターが出やすく今までなかなかいいものがありませんでした。一曲だけしか再生出来ませんが、Macでは上記しましたXLDが最も優れています(XLDのプレイヤーモード)。XLDの音質は大分前の話ですが、やはり高音質だったAfplayというアプリに似ています。

コンテンツは、ダウンロードしたものはiTunesで、リッピングファイルはiTunes +Audirvana PlusのIntegratedモード)が良いと思います(ただしAudirvana Plusは有償です)。
Decibelも良い音です(これも有償です。Decibelは、AppleのAppで購入出来ます)。
Audirvana Plus Integerモードは最新のSierraでは動作しないようです[2017/04/03]。

<DACのフォーマット>
Babyface ProはDSDはカバーしていません。しかし、このDACの音なら個人的にはPCMでも十分だと思います。

<設置に関する注意>
PCをピュアオーディオ近くに設置するとノイズフロアーが悪化します(C-2000は影響を受けます)。PCオーディオを始めたものの音が悪いという場合チェックすると良いでしょう。対策はPCなどのデジタル機器をアンプの入力側から離せば解決します。自分の場合、PCはアンプから1m位離間させています。USBケーブルはその分長くなります。端子の曲がり余裕をみて2mのものを使用しています。

C-2000のOptionボードにDAC-30以外にフォノ基板などがパラに装着されている場合、干渉によってアナログの音が悪化します。C-2000でデジタル接続とするときは専用接続が望ましいと思います。

<ヒアリングまとめ>
*アナログに比べ高S/Nです。
*デジタル接続の音は細かく分解された音の集まりとして聞こえます。非常に解像感が優れています。左右2chで合成して音像を形成していく様な再生です。
*アナログに比べるとインパクトがあり瞬間的な応答に優れています。


初稿 2016/02/17
2nd リンク追加および誤字脱字など修正 2016/02/17
3rd リンク追加と図面訂正および文言修正 2016/02/19
4th 評価見直しによる全面修正とリンク追加 2016/02/20
5th DAC制震対策による評価修正 2016/02/21
6th まとめ見直し 2016/02/22
7th まとめ修正 2016/02/23
8th 視聴追加 2016/02/25
9th 最終まとめ 2016/02/26
10th リンクの追加 2016/02/26
11th リッピングの追加コメントと最終まとめ直し 2016/02/29
12th ケーブル変更後の追加視聴による評価修正とまとめ 2016/03/02
13th 最終まとめ直し 2016/03/06
14th 部分修正 2016/03/07
15th ミス修正など 2016/03/07
16th ミスによる評価訂正 2016/03/08
17th リンク追加とコメント修正と追加 2016/04/12
18th デジタル入力再評価コメント追加 2016/06/02
19th まとめ直し 2016/09/25
20th 誤記訂正など 2016/09/26
21th 最近の事項を追記 2017/04/02
22th 同上一部訂正 2017/04/03
23th まとめ直し 2017/06/15
24th 敬愛変更 2017/08/09
K.Fukuma

 

My profile
Kazunori Fukuma

職歴前半は半導体デバイス開発技術者、後半は経営者としてやってきました。事業の立て直しや新規事業育成、競争戦略などを得意としています。
きっとお役に立てると思います。
投稿は主にAudio、写真、Programingです。Audio歴は50年(長いだけですが)です。学生時代のライブ活動、研究テーマがノイズ抑制だったことなどがきっかけで、音の追求は今も続いています。

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