月別アーカイブ: 2016年10月

オーディオ スピーカーの増し締め

オーディオの音をよくするシリーズです。
今回はスピーカーの増し締めについてまとめました。
(磁気と振動のページに掲載した内容に検討を加え以下掲載します。)
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<Photo Data>2016/09/29 木次線亀嵩駅
上り宍道行きキハ120型
亀嵩は松本清張の「砂の器」に登場します。
Canon EOS5D MarkⅡ EF24-105mm f/4L IS USM
1/1000 f4.0

オーディオでは音の出口となるスピーカーが重要です。スピーカーがうまく鳴ってくれないとオーディオの意味がありません。スピーカーは時々ケアーが必要です。
スピーカーの購入直後はエージング不足でうまく鳴ってくれません。再生を繰り返していくとようやく本来の音が出てきます。しかしながら、また何年か使用すると低音が緩んだり、高音が出にくくなるといった帯域劣化が起こります。こうした原因は、端子かスピーカーユニットのネジの緩みが考えられます。
一度、自分の耳で聞こえる範囲の音で、テストトーンでチェックしてみると良いでしょう。
自分はRMEのSound Check & Setupを使用しています(市販のものもあると思います)。このテストトーンはLR別々に20Hzから22KHzまで44.1KHのPCM信号が入っていますが、低域信号に50Hzから80Hz位、高域は10から12KHz前後の信号を繰り返し再生し、スピーカーから音が出てくるかどうか確認します。
この時のVolumeは通常の音量より少し大きめにします。また、高域信号の再生はユニットの指向性が高いので、両耳に来るようにスピーカーが内振りしていることが必要です。

耳で聞こえないのにパワーアンプのメーターは触れている場合、アンプアウトからの経路に問題がある可能性があります。
このような場合、パワーアンプとスピーカーの接続に緩みがないかチェックします(電源は落としてチェックします)。
端子に緩みがあると特に高域の音が聞こえなくなっていきます。また、LRどちらかの端子が緩んでいるときは左右の音に差が出るのでわかります。

(以下の作業は自己責任でお願いします)
点検して端子に問題ければ、スピーカーの表面の保護ネットを外しスピーカーの増し締め(締め直し)をします。
img_1220左の写真はタンノイのスピーカーの部分写真です。
このスピーカーはセンターホーンの同軸型です。スピーカーは一本だけで手間が少なくてすみます。これで説明します。
ユニットは先端3mmの六角ネジ4カ所取り付けてあります。
ネジはストレートドライバー(藤原産業(株)のEPS-650差替式精密ドライバー、手のひら側を軸に指だけで回すことがもの。)を使用しました。
4本のネジを一本ずつゆっくりと緩めます(固く締まっているネジがあってもいったん緩めます)。親指、人差し指、中指の3本を使用し、左上から一カ所ずつ反時計回り1/4回転程度まわしては止めを、右下、左下、右上と交互に繰り返し、全部緩んだところで止めます。

次は締め付けです。
今度は、親指、人差し指の二本を使います。やはり左上より今度はワンクリック(緩める時の半分の角度くらい)まわしては止めを繰り返します。指二本の力がリミッターです。これ以上締まらなくなったところで止め、やはり対角交互順に4カ所共行います。
最後に、二本の指だけで「ぎゅっ」と最終的な締めつけをして終わります。最終締めも4カ所対角交互順に行います。最近はやる人が少ないと思いますが自動車のタイヤ交換の要領です。
以上ですが、相当感覚的な説明で恐縮です。要はスピーカーユニットをベース板に可能な限り均圧で止めるということです。

さて、いつも聴いているCD等で音出ししてみてください。
ものすごい力の方は締め付け過ぎとなることも考えられます。締めすぎは窮屈な再生音となります。適圧でスピーカーを締め付けることが出来た場合は、音の広がりや余韻が豊富でスピーカーの能力が十分活かされていると思います。もしかしたら初期エージング時より良い音に変化したかもしれません。

しかし、あくまでもこの方法は試行錯誤で求めた方法です。いろいろなスピーカーで有効だとは思いません。例えば、B&Wのトールボーイは中低音のユニットしか処置できません。

注意事項があります。
L字型の六角レンチを使用する場合、ストレートドライバーよりトルクが大きくなります。その分見込んで実行すると良いでしょう。精密トルクレンチを使用するのも良いと思います。ただしトルクレンチを使用しても、最適な締め付けトルクはわかりません。締め圧と音は強く関係しますので、この場合も試行錯誤で求めることになります。

また、スピーカーによっては前方に強い磁力が発生していることがあります。作業時鉄製または先端が磁化したドライバーを使うとコーンにドライバーが吸い寄せられて、スピーカーを損傷する可能性があります。要注意です。

上記題目は増し締めと書きましたが、増し締めとはある状態から更に締め付けるということではありません。そのまま締め付けると緩んでいる箇所と固く締まっている箇所が存在します。一度緩めないと、ばらならな締め付け力になってしまいます。

1st 2016/10/06
2nd 部分訂正 2016/10/07
3rd 写真入れ換えと部分訂正 2016/10/08
4th 部分修正 2016/10/09
5th タイトルの修正 2017/07/10
K.Fukuma