オーディオ 3P電源ケーブルのアースループについて

オーディオの音をよくする編に「3P電源ケーブルのアースループ」についてを追加します。
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<Photo Data>2016/08/01 せせらぎ街道にて 
Canon EOS5D MarkⅡ EF24-105mm f/4L IS USM 1/250 f/4.0

オーディオ用電源ケーブルは、太くて振動対策したアースピン付きの3ピン型電源ケーブル(以下3P電源ケーブル)が人気です。

下記写真の様なケーブルです。これはスピーカーケーブルの余ったものをネットの作例を見て自作したものです。豊かな低域や高域再生を獲得できます。この3P電源ケーブルですが、いざ交換したものの、あまり音が良くなってないというようなことはないでしょうか。
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市販されている3P電源ケーブルは、プラグ間のアースラインが結線されているものがあります。セパレートアンプに使用するとアースループによるノイズが生じますので注意が必要です。

下記図を参照下さい。
アイソレーショントランスのコンセントからオーディオ機器に3P電源ケーブルをつないだ模式図です(壁コンセントにつなぐ場合、この図のトランスが無い場合になります。)
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電源ケーブルは3芯です。コンセントのL極は差し込みプラグのL(活性極)に、コンセントのN極はプラグのN(ニュートラル)に、またコンセントのアース極はアイソレーショントランスの静電シールドと筐体アースと一緒にプラグのアースピンに結線されています。
メス側のコネクターでは、L、Nは普通の接続ですが、ケーブルのシールド線はエッジでカットされ終端されます。アース線はしっかりプラグ内の接地極につながっています。
2P電源ケーブルと根本的に違うのは接地極があることと、接地極のオス・メス間がつながっているということです。

接地極がつながった電源ケーブルをセパレートアンプのプリとパワーにそれぞれ使用しますと、プリ、パワー間は信号ケーブルもつながっていますので、電源ケーブルのアース線と信号ラインとでアースループが出来てしまいます
アースループは音楽信号にとって有害なノイズです。定位が甘くなり中高域のざわつきが目立ち機器本来の力が発揮できません。念のためシステムを点検することをおすすめします。

<対策>
対策は電気的に上の模式図の機器側アース線をカットすれば良いのですが、市販の電源ケーブルは大体PSE認定品です。100Vを通過させることから安全上分解改造はしない方が良いと思われます。

次の用途には使用可能です。
①壁コンセントからタップに引き出す時使用する。
②CDやトランスポートなどのデジタル機器でインレット側のアースピンが無い場合のみ有効です。

機器の電源ケーブルは2芯ケーブルを使用することになります。購入時付帯してくる純正2Pケーブルが望ましいでしょう。3Pの太いケーブルに比べて音が悪くなるという懸念があるかもしれませんが添付ケーブルは良いものです。使い込んでエージングが進めば良い音がするようになると思います。

<まとめ>
接地極がつながった電源ケーブルはセパレートアンプには使用しない方が音質的に有利だと思います。プリメインアンプは単独ではアースループは起こりません。
3P電源ケーブルのアースが宅内アースに結線されている場合アース効果もありますがアースラインを経由してノイズも受けてしまいます。
アースをしなければならないケースは、筐体電位が上昇しシャーシで電撃を受けるような場合、音質よりアース設置が優先となります。

1st 初稿 2016/08/07
2nd一部訂正と追記 2016/08/07
3rd まとめの部分追記 2017/05/23
4th 題目及び文言修正 2017/07/10
K.Fukuma

 

My profile
Kazunori Fukuma

職歴前半は半導体デバイス開発技術者、後半は経営者としてやってきました。事業の立て直しや新規事業育成、競争戦略などを得意としています。
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投稿は主にAudio、写真、Programingです。Audio歴は50年(長いだけですが)です。学生時代のライブ活動、研究テーマがノイズ抑制だったことなどがきっかけで、音の追求は今も続いています。

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