CDの音を良くする(その1原因編)

CDはオーディオ再生装置の代表格です。しかし、残念ながら高級機を除くとCDの音は実はあまり良くありません。

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<Photo data>2014/02/21 横浜元町
EOS5D MarkII EF40mm f2.8 STM 1/8000 f2.8
*ちょっと横道にそれます。写真の投稿で書くべきですが、とりあえずコメント致します。Canonの40mm単焦点パンケーキレンズを試してみました。単焦点ならではの細かいところまで解像されています。
ボケ味も良さそうです。フロントレンズのくぼみが浅いのでプロテクトフィルターはあった方がいいと思いますが、せっかくのパンケーキが厚くなってしまいます。お値段を考えるとなくてもいいかもしれません(考えどころです)。とても軽量でスナップ撮影に最適です。

(話を戻します)CDとアナログレコードで同じ曲を聴くとアナログの方が良い音だと感じます。もちろんアナログレコードも録音が良い場合に限ります。両者の比較論ですが、CDは高域の伸びが不足しているように感じます(SACDは伸びています)。またCDは、レコードの盤をトレースする時のノイズがありませんのでS/N(シグナル/ノイズ比)はとても優れています。

さらにCDは、何も対策しないと定位が甘く奥行きも狭く感じます。レコードはノイズ感はあっても空間合成が自然で倍音が良く出たいわゆるホールトーンのソースが多いのではと思います。

ではCDは全く駄目かというと、ハイエンド機では問題ありません。音の粒やレンジ感も十分です。f特を除くとレコードよりいいかもしれません。

こうしたCDの音質を低下させている原因は、再生系に原因があると考えられます。CDはステレオ信号が円盤の内周から外方向へ書き込まれています。この信号を、盤を回転させてレーザー光でデジタルデーターを読み込んでいきます。しかしレコードの溝に相当するガイドが無く、内周と外周では回転速度が異なっています(rpmとm/sの違い)。CDの信号読み取りは、位置検出と内から外周に向かうとき回転速度を調整する必要があります(デジタル信号の読み込みは等速度)。

またレコード時代の影響でしょうかCD板はとてもお粗末です。柔らかく剛性が不足しているほか、盤にゆがみもあります。回転時ピックアップのスポット付近での振動も半端ではないと推測されます。読み取りを良くするためにレーザー光(〜780nm)を強くすると盤面反射の影響も出てきます。レコードのように機械的な接触をさせない代償がCDにあります。水平位置と回転速度、垂直方向にはデータ読み取りの正確性を問う再生系だと考えられます。

CDでデジタル信号を読むとき読み取りエラーが起こると致命的となります。調べてみると読めない場合は前後データーから補正することが許されているようです。この補正はピュアオーディオを追求する向きにはとても問題だと思います。場合によっては、ライブで聞いた声質と違うといったことが起こります。CDは低ノイズ再生ですが高度な検出が出来ないと違和感出力をしてしまうと思います。

もう一点、なかなか難しい問題があります。CDはデジタル機器であり、かつ内部にモーター回転機構を持っています。ローレベルのアナログ信号回路を同居していますのでノイズの影響は無視できません。次回以降で上記の対策など述べることにしたいと思います。

1st 2014/02/28
2nd誤字など修正 2014/03/19
3rd 字句修正 2014/03/22
4th 一部文言訂正 2015/04/03

K.Fukuma

 

 

My profile
Kazunori Fukuma

職歴前半は半導体デバイス開発技術者、後半は経営者としてやってきました。事業の立て直しや新規事業育成、競争戦略などを得意としています。
きっとお役に立てると思います。
投稿は主にAudio、写真、Programingです。Audio歴は50年(長いだけですが)です。学生時代のライブ活動、研究テーマがノイズ抑制だったことなどがきっかけで、音の追求は今も続いています。

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