オーディオの音を良くする(アンプのエージング)

オーディオアンプは電源を入れて直ぐにはいい音はしません。電源オンですぐ視聴開始せず、エージング(プリヒート、暖機運転)をしましょう

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<Photo Data>2015/06/01 平塚 花菜ガーデンにて Sharifa Asma (英国の代表的な薔薇の一つです。ピンクから白のグラデーションがすばらしい。)
Canon EOS5DMarkII EF24-105mm f/4L IS USM 1/800 f4.0

アナログアンプを内蔵したオーディオ機器は「視聴前エージング」が必要と考えています(全てではないとは思いますが)。
十分にエージングしてから聴くとスピーカーが軽くなったような感じになり、見違えるように音が良くなります。
使用経験から2例ご紹介致します。

前に使用していたアンプ(仏yba-2αのプリとパワー、以降Y社)はBernard Andreの設計による疑似A級α動作のアンプでした。半導体アンプですが真空管的な音(奇数次高調波を抑制した動作)がします。このアンプは最低でも2-3時間、出来れば5時間程度の視聴前通電エージングが必要でした。
現在はアキュフェーズのパワーアンプです。パワーアンプはybaと同一傾向のA級動作のものとしました。ybaに比べると帯域がフラットで音色は清楚です。クラシック主体ですのでこの音色は好みの音です。
このアキュフェーズのパワーアンプもybaと同じく視聴前通電が2-3時間、出来れば5時間が所望です。

エージングの手順は(アンプによって違うかもしれませんが)パワーアンプの電源を先に投入します。そのまま無信号で通電を継続させます。3時間経った頃、プリアンプやCD、DACの電源を投じて30分程度その他機器を加えてエージングした後視聴開始します。つまり、3時間半、出来れば5時間半たったところでやっと視聴開始となります。
プリ、パワー等全ての電源を一斉に投じる場合より、パワーアンプ先行の方が上質な再生になります。

アンプを新規に購入した時、本来の音になるのに半年から2年程度のエージングが必要とされています。現在のパワーアンプは7年ほど経っています。新規購入時のエージング不足とは関係ないと見ています。

エージング初期に再生すると暖気不足か再生音は少しひずんでいます。半導体やボディーが十分に暖まってはじめてバイアスが安定するのかもしれません。
パワーアンプやCDの電源オン先行がおさまりがよい原因はよく分かっていませんが、信号電路(ケーブル)チャージが考えられます。通電が始まりグランドが明確になってくると電路中の電荷が時間と共に整理されていきます。通過する電流はとても弱い交流信号のため、チャージに対する影響が少しずつ減少していって音が良くなっていくモデルかもしれません。

エージングの手順で、5時間以内の短い時間に通電エージングを止めて楽曲信号を流すと、その時点の音質で止まってしまいます。「無信号通電」で我慢して5時間以上の十分なエージングをすると、低音は床に轟く様な重低音になります。勿論、中高域のドライブもさらに良くなるのです。

<まとめ>
<Photo data>2017/02/16 三浦半島、左側が三浦大根
Canon EOS1D Mark4
EF24-105mm f/4L IS USM
1/250 f8 ISO100
ピュアオーディオ機器、特にパワーアンプは聴き始める前に通電エージング(プリヒート)が音を良化するのに有効です。アンプによって差があると思います。出来れば5時間の視聴前通電がベストです。通電後はスピーカー駆動が改善され、全周波数にわたって音質が良化します。お試しあれ!

[2017/06/04]エージングの通電タイミングについて、パワーアンプの他にCDなどの機器と同時通電開始とするプレエージングのやり方は音質的には某かのものがあると感じてはいますが、理由がはっきりしません。通常の視聴前通電は従来通りパワーアンプを先行通電するやり方を現時点の自己ルールにしたいと思います。交流電位測定程度では違いがはっきりしませんでした。

1st 2015/06/08
2nd 同日 誤記訂正
3rd 2015/06/17 まとめ追加
4th 2015/06/23 加筆訂正
5th 2015/07/09 文言修正
6th 2015/08/02 文言整理
7th 2015/09/09 加筆修正
8th 2016/07/27 コメント追記
9th 2016/09/12 コメント修正
10th 2016/09/14 コメント追記と修正
11th 2016/09/19 アンプの電源起動順についてのコメント追記
12th 最近の視聴法追加 2016/09/21
13th 通電方法の見直し 2016/10/05
14th ショートカットエージングによる視聴開始 2017/02/18
15th 有雑音環境下でのエージング停止について 2017/04/07
16th 誤字修正 2017/05/07
17th (下線部)電源投入タイミングの訂正 2017/06/02
18th  17thの見直し 2017/06/05

K.Fukuma

My profile
Kazunori Fukuma

職歴前半は半導体デバイス開発技術者、後半は経営者としてやってきました。事業の立て直しや新規事業育成、競争戦略などを得意としています。
きっとお役に立てると思います。
投稿は主にAudio、写真、Programingです。Audio歴は50年(長いだけですが)です。学生時代のライブ活動、研究テーマがノイズ抑制だったことなどがきっかけで、音の追求は今も続いています。

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