オーディオの音を良くする(アースループを避ける)

地球上の物体は何らかの電位を持ちます。商用電源で動作するプリアンプやパワーアンプも固有の電位を持つようになります。これらのアンプをケーブルでつなぐと機器間にグランドに向かって電位差分の電流が流れます。一過性ならこれで終わりですが電位差を作る原因があると固定的なノイズとなって入力信号に加算されます。
_MG_9229<Photo data>2015/09/28 「Supermoon」を撮ってみました。スーパームーンの色は少し赤っぽい感じです。
この月は通常より14%大きく見えるそうです。地上近くのお月さんは肉眼で一層大きく見えるというのです。月との距離は変わらないのに不思議です。

Canon EOS7D EF70-200mm f/2.8L IS II USM 1/200 F4.5 三脚使用

オーディオシステムは静寂感が重要です。このため固定的なノイズは対策しなければなりません。今回は、こうしたノイズの削減についての記載です。

オーディオではどんなノイズが考えられるでしょうか。
下記にプリアンプとパワーアンプを接続したときに生ずるアースループ(グランドループ)を書いてみました。スライド1プリアンプとパワーアンプ間をRCAケーブルでつないだ場合です。RCAケーブルではグランドに向かって、図の様なEarth Current AEarth Current Bのいずれかまたは両方がノイズ電流となって信号に加わります。

こうしたループノイズは次の様な対策を行うと良いでしょう
1.長いケーブル接続を避ける
2.信号ラインとグランド間の静電または誘導性の結合を下げる(距離を離すかシールドする)
3.不要な接地をしない
などです。

また、アースループを対策する際は事前にAC電源の極性を合わせこみます。電源の極性が異なると機器電位が異なり固定ノイズとなります。

1.電源の極性を合わせる
もう少し詳しく説明します。
電源の極性は、活性(L)とニュートラル(N)があります。一般に、コンセントの幅の狭い方が活性極です。3P電源プラグは自動的に活性極が決まるため問題ありませんが、2Pプラグはどちらが活性かわかりません。合わせ込み方法はここでは省略いたしますが視聴やテスターを用いて行います。

コンセントを接続する時、例えばCDは右のコンセント、アンプは左といったばらばらな接続では、電源分岐点まで遡ったループが出来てしまいます。
かといってコンセントタップを一本にまとめても必ずしも良い結果にはなりません。これは2個以上の差し込みがある並列タップは、タップの内部でアースラインが短絡していることに原因があります。

ということは、電源に並列に接続した機器は電源アース間がつながっているということですので、共通のタップから電源をとると、パワーアンプから整流ノイズ、CDからはデジタルノイズが互いに逆流します。この影響が大きいときは、あちこちのタップから取る方が良いと感じる場合もあるのです。
タップを使う場合これらの組み合わせの中で良い方法は、(うまく説明できませんが江戸時代の岡っ引きの十手のような)ラダー型接続法です。信号源、プリ、パワーと扱う信号の低い方からタップをラダー分割して接続して行きます。グランドが離れて良化方向となります。まあ若干良くなる程度です。
ノイズが多い欠点はありますが、コンセント一つに全機器をつなぐ方が低域の押し出しが良くなり、全体の音調として安定感が増すと感じることもあります。
どちらもベストな接続ではありません。
タップ一個につき1機器接続の原則を守るとアースラインがカットされて音は改善されます。1タップ1コンセントを優先しながら、いろんな電源接続を組み合わせて最良のつなぎ方を模索するしかありません。

2.電源ラインにアイソレーショントランスを入れる
抜本策は相互にノイズが行き来するのを防ぐアイソレーション方法です。1機器に1アイソレーショントランスを入れる方法です。
この接続は戸外の系統(交流電源のことです)からやってくるノイズや宅内で発生するノイズをカットする他、自己オーディオ機器が発するノイズも相互に分断して抑制します。
オーディオ用としては中村製作所のアイソレーション電源などがあります。自分もピュアオーディオでは欠かせない構成になっています。ノイズカットトランス、アイソレーション電源、アイソレーショントランスなどと呼ばれています。効果はタップよりはるかにノイズ抑制が出来ます。

3.信号線の接続は出来るだけバランス接続とする
信号ソースとアンプ間、プリアンプ・パワーアンプ間の信号線は一般的にはRCAケーブルが用いられます。この場合上のモデル図のような不平衡接続となっています。
不平衡接続はアースループが起こりやすくノイズを受けやすくなります。RCAケーブルを使用するときは可能な限り接続距離は短くして影響を減じることが必要です。
オーディオ機器間の接続はRCAケーブルよりバランス接続がノイズの点で断然有利です。バランス伝送はシグナル線間にノイズを受けても位相的にキャンセルできるからです。

4.複数接続を避ける
オーディオシステムは誘導結合や静電結合が理論的に存在しますが、筐体の外からはわかりません。ここでは接続の仕方で起こりがちなアースループを避ける方法を紹介いたします。

例えば、CDの出力をコアキシャル(同軸)出力からプリアンプのデジタル入力につなぎ、同時にSACD再生用としてCDのアナログ出力もRCAケーブルで同じプリアンプのRCA入力につないでいる場合、同軸、RCAケーブル間でアースループが出来てしまいNGです。信号源のアースループですので影響が大きく、落ち着かないざわつきがのってしまいます。
対策は同軸を外してRCAアナログ接続のみとするか、アナログ接続は残してデジタル接続をオプティカル(光)にすれば回避できます。

同軸出力がほしい場合は(同軸の方が力強い音がします)、DAコンバーター間に絶縁型のデジタルフィルタを入れて止めることが出来ます(コイルトランスを使用しグランドがアイソレートされるほか高周波ノイズ成分もカットされます。いわゆるデジタル信号のアイソレーションです。)。
このフィルタは市販品も出ていますが、部品ではムラタ製作所のデジタルフィルタを挿入すると簡単に止まります。製作する場合は1次2次間はつながないこととコイル自身の振動抑制が必要です。

他の例として、パワーアンプがRCA入力とバランスの2入力を持っている時、切り替えスイッチがあるからといってプリアンプとの接続をRCAとバランスの両方を結線してはいけません。どちらか一方だけの接続にします。

二例書きましたが、アースループを避けるには機器間接続は単一出力、単一入力のシンプルな接続とすることです

5.無用な接地はしない
また、CDやプリアンプなど各機器のシャーシ(筐体のことです)を電源ラインのアースにつなぐのもノイズをお迎えするようなものです。アース効果も享受出来ますが信号線のアースがつながっていますので電源ラインとの間でループが出来てしまいます。
オーディオ機器はアースはしない方が良い音です(ターンテーブルのイコライザまでの信号線、指定されたスピーカーのアースを除く)。
アーシンググッズもバランスアンプ駆動やデジタル機器では使用できない箇所があります(アースについては別途投稿を追加いたします)。
電源ケーブルのアースループについてはここを参照下さい

下記に記載していましたUSBバスラインの問題とLCDのEMIにつきましては別の投稿記事を参照下さい。宜しくお願いいたします。
PCーAudioに関するグランド処理については「デジタル接続のグランド処理」等を、LCDパネルのEMI輻射については「オーディオ機器の電磁波影響を軽減する」を参照下さい。

<まとめ>
オーディオ機器間にアースループがあると入力信号にループノイズが加算されて増幅されノイズとなります。ほとんどのアースループは機器間の複数接続に原因があります。機器間接続は一本つなぎを原則として原因を除去することがおすすめです。
また、アースループは2つのSystem 間で機材を共用する場合も起こります。DVDプレイヤーをAV系とピュアオーディオに共用する場合などです。複数接続も避けた方が賢明ですが、一方をデジタル、もう一方をアナログ接続の様に使い分けると解決します。


1st 初稿 2015/10/16
2nd 一部修正 2015/10/22
3rd まとめ追記 2016/01/08
4th 内容見直し 2016/01/24
5th 誤記訂正他 2016/01/25
6th 文書整理 2016/07/24
7th 変換ミスなど修正 2016/08/04
8th 追記 2016/08/05
9th 訂正と追記 2016/08/06
10th 参照追加 2016/08/09
11th 文章誤変換などを修正 2016/12/15
12th 文書整理 2017/07/07
13th 変換ミスなどの訂正 2017/07/25
14th リンク参照を追加 2017/07/26
15th ミス変換部分などを修正 2018/08/06
K.Fukuma

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