今年3月頃(2014/3)から手がけてた販売管理ソフトがほぼ出来上がりました。失敗と改良を重ね、初版に約半年かかりました。
開発に使用したファイルメーカーはPro12.0v4、使用PCはiMac(OSX10.9.4)です。
Windows機ではWindows8.1でテスト確認を行いました。
基本仕様は、見積、受注、納品、請求、仕入、在庫、支払及び各帳票の出力管理です。管理メニューとしては、在庫、顧客別販売実績、仕入先別購入実績、顧客クレーム等S。
フォローメニューを設け、未発注、未入荷、未請求、売掛残、などをチェック管理できるようにしました。
販売、仕入れの取引モードは、掛け、現金または振込、都度請求に対応しています。
このソフトの最大の特徴は、データベースは大規模なリレーショナルデータベースを構築できるファイルメーカーですが、レイアウトデザインが優れています。
本販売管理では、ファイルメーカーのレイアウトにポータルを使用し、伝票イメージレイアウトを採用したことです。
使いやすいGUIになっています。
少し内部の説明を致します。
優れたデータベースですが、開発当初はフィールド間計算でつまずきました。昔経験した配列計算などが出来ません。レイアウトを構成して、フィールドの値を計算するには、フィールドのOptionによる内部計算には限界がありました。
<Photo Data>2014/08/25 安曇野大王わさび農場の水車小屋。ここはビックリするほど豊富な水が流れています。水の豊かさを求めましたが、そのショットはNGショットでした。このアングルはもっと右の方が良いのですが、、、。
EOS5DMarkII EF70-200mm f/2.8L IS II USM 1/800 f/2.8
内部処理は、計算が出来ないというわけではありませんが、分岐や応用を十分に使用するにはしっかりとScriptを作って計算しな変えればなりません。
<Photo data>2014/08/25 旅の途中碌山美術館を見学。荻原守衛の「女」など代表的な作品が展示されていました。美術館を出たところで中学生が見知らぬ私たちに元気よく挨拶してくれました。とても気持ちの良い旅になりました。
EOS 5DMarkII EF24-105mm f/4L IS USM 1/125 f4.0
このため、伝票内の計算はフィールドOptionで計算し、消費税などの細かな計算の場合は、伝票入力後伝票を締め切る時に複雑な計算を処理させることにしました。
消費税の整数化、一品別の税率対応なおいです。
<下記の地図は、美術館と挨拶してくれた学校(安曇野市穂高東中学校)の場所です。>
<Photo data>2014/08/25 大糸線「HB-E 300系リゾートビューふるさと」の様です。美術館横を丁度走ってきた電車をとらえました。後で調べてみますと、この電車ハイブリッドだそうです。
EOS5DMarkII EF24-105mm f/4L IS USM 1/1600 f4
(さて、本文に戻ります)
1.納品書印刷
納品書などの伝票イメージは、ファイルメーカーのレイアウトで設計しますが、作成した印刷事例を以下にご紹介します。
納品書・請求書で2例掲載します。
レイアウトは、台帳から自社情報と顧客情報を引っ張ってきます。
商品入力は、ファイルメーカーのポータルによる構成です。
このサンプルは納品書・請求書が上下2段になっている納品書の部分です。請求書側のレイアウトも全く同じです。
レイアウトは、納品書側のポータルとフィールドの構成を決め、請求書側にはコピー&ペーストで完了です。
フィールドの位置調整は、オブジェクトを下地にはさんで調整すると簡単にアジャスト出来ます。下地に参考に貼り付けたオブジェクトはレイアウト確定後削除します。
もちろん、フィールドの順番の変更や、印刷書式変更にも対応させることが出来ます。印刷は、納品書・請求書の入力・編集メニューから印刷コマンドボタンにスクリプトを組み込み印刷を実行します。
この納品書例は、5件/1枚のです。商品の数が5件以上は、次ページへ繰り越し処理します。繰り越しは、データテーブルにページフィールドを設け、関数Ceiling(行数/5)でページ数を求め、全ページ数を5の倍数でインクリメントさせます。Ceilingを使う場合、6件目のデータのページフィールドは6/5となり、切り上がってMaxページは2になるわけです。
今度は納品書・請求書の印刷スクリプトは左の様になります。
印刷テクニックとしては、金額合計、税抜額合計、消費税額の合計額はダミーフィールドに収め、最終ページに総額を印刷します。
プリンタは、スクリプトで印刷レイアウトに切り替えて(この例では納品・請求書印刷(1))データを送ります。プリンタの印刷設定はA4縦とか倍率など書式はあらかじめ設定が必要をしておきます。印刷は1ページ目、2ページ目と印刷が連続で行われ、最終ページを印刷してLoopから抜け出します。
いきなりプリンタに出力せず、プリンタダイアログを開いて紙などを設定しながら印刷したいときは、スクリプトでダイアログをオンにします。
2.消費税特例対応
納品書には、受注日と受注伝票番号を左下余白に印刷するようにしました。売上は売上日起算で確定させます。消費税については、今年(2014年)のように税率が期中で改定される場合、特殊処理としました。
売掛では、消費税更新前後では一伝票内で変更前税率と変更後税率が混在します。期間内償税率が異なる対応として、明細単位計算モード(基本的に行単位計算)を設けました。
例えば本例3月度の納品書サンプルの様に消費税が5%と8%の商品が混在しても、行単位で個々の税率で計算します。
(追記:この計算方法は2019年の軽減税制対応に適応させる予定です。)
課税の組み合わせをまとめますと下記のようになります。
伝票単位 | 外税、内税、一括消費税率 |
明細行単位 | 外税、内税、個別消費税率 |
上記の納品書印刷例は、平成26年4月の改正前税制です。何もなければ消費税は売上確定月の消費税(この場合は5%自動計算)、個別ケースについては8%で自動計算されます。税率8%の場合のみ特例という意味でコメント印刷します。もちろん今後消費税改定が行われても変更は可能です(スクリプトの変更で対応することになります)。
ポータルの活用例は、別途またご紹介できると思います。
「ファイルメーカー販売管理は主に個人事業主や企業立ち上げ支援向けにリリースしています。」ご利用を希望される際は、本HPの販売管理システム FKM販売管理から利用できます。
個人開発版ですが、スタンダードな販売管理が出来ます。
本ページ記載以降追加した主な機能は、明細、支払いのダウンまたはアプロード、ゆうパック出荷処理の自社印刷などです。
Server版もあります。
HP問い合わせよりメール送信願います。
1st 2014/09/26 K.Fukuma
2nd 印刷関連の内容修正とタイトル見直し2014/09/28 K.Fukuma
3rd 文言修正 2014/09/29 K.Fukuma
4th ミス修正 2014/11/01 K.Fukuma
5th 以後の状況について追加記述 2015/03/29
6th 文言追加 2015/08/05
7th 追加 2015/09/27
8th 追記 2019/02/07
9th 追加 2019/05/26
K.Fukuma