ツールの紹介、Planning

プロの企画を目指す方に、データベース構築のすすめです。

2000年少し前のことです。情報を記録する「データベース(以下DB)」を作り始めました。
最初はPC上で動く「京大型カードDB」でした。当時のPCはとても貧弱で、メモリもディスク容量も少なく、登録件数が増加すると、たちまち動きが鈍くなってしまいました。
その頃、ファイルメーカーというデータベースを見つけました。
ファイルメーカーは、長い文章記述や、ちょっとしたメモでも、とにかく入力していきながら情報を加算していくことが出来ました。

データベース構築をファイルメーカーに移行し、その後も挫折せず、保存したデータをもとに自分のプラニングに役立つようになりました。
人事異動で全社的な企画部門に転籍しました。理系の自分が企画をです。それも全社全分野で果たしてやっていけるのかとても心配でした。
さらに、異動後すぐ政府への提案書作成を命じられ、環境や政策的な話、日本の技術の目指す方向など広い範囲にわたってのコメントが必要でした。しかも、提出はたった3日間しかありません。

1日目は手がつかず、2日めはとにかく技術分野から書き出してみることにしました。
書き出してみると、専門外のことでもキーワードだけ並べておくと、不思議にいろんなジャンルがすらすら書けるのです。
キーワードを補完するように、アイテム毎に自分はこう思っているということを箇条書きにしただけですが、ジャンル別のリスト文を作成できました。
しかし、それ以上は書けません。
そこで、書き出した箇条書きの背景や事実確認に、自分で積み上げたファイルメーカーで検索しました。
検索してみて、バックボーンがわかり、今後どうしていくのがいいのか、その原因をさらにDBから探して行きました。
文書に原因は書き出さず、そうしたことになった「情景」を書き出してみました。
最終的に全体の並び換えに悩みましたが、提言書はいくつかの分野だけですが、ヒットしたものと思います。
提言書はXX大臣宛、読んで頂けたかどうかはわかりませんが無事提出できました。

カードDBもファイルメーカーも、ドキュメントは題目と内容だけの構成です。画像をはったり、インデックスなどは結局不要でした。
記述は、できるだけ取得した情報はコピー&ペーストせず、新聞や雑誌、またはネットを見て、自分なりにまとめる記述にしました。

こうした積み重ねは、その後M&Aや交渉に役立ちました。理系の人間が全く違う領域にアンカーを打つことが出来るようになりました。
DB作りは肥やしです。
ジャンルは問わず、気になったことを書き込むだけです。記載しない日があっても記録していきました。毎回10分程度です。一回あたりの時間は短いのですが、積み上がると情報量は大きいです。

ファイルメーカーは、ページ文書許容量が2GBと大きく、WORD並です。
文書型データベースはネゴシエーター、プランナーへの通り道。オススメの方法です。
記事が増えていくと、トピックやジャンル別に分類アイテムは追加しても良いかもしれませんが、検索でひけますので不要です。
DBの件数は10年を超える頃には約4500件になっていました。

そんなことをして、何のメリットがあるのかと思われても仕方がありませんが、書いたことは自分の蓄積に必ずなります。
提言書でやったように、キーワードを並べ、そしてできれば分野間の関係性がわかれば、戦略の骨格ができあがっています。
何をまとめるかが分かれば、シナリオを描くのがいいでしょう。
(シナリオは別の機会に記述できるかもしれません)

プレゼンは、いろんなコンテンツを並べますが、自分の場合はシナリオをつくって並び替えます。プレゼンで訴える力が高まります。
KeynoteやPowerPointのカラーやスタイルではなく、結論に至る流れをつくることが大事だと思います。

DB作成は、日々とても地味な作業です。積み上げてこそ価値があります。
書くのがお勧めです。

長年使用していくには無料のDBではなく、ファイルメーカーの様な長期にわたってデータベースに一貫性のあるものが良いと思います。
しっかりバックアップをとって保存継承して下さい。
作り込んだものをPRして、上司や客先に認めてもらいましょう。

蛇足ですが。
プレゼンテーションは、前後のページの書式を急に変えません。話の流れが途切れる様な構成は避けます。
話し方も、ポイントした文言は読めばわかるので文書は読まず、書いていることを違う言葉で語るのがコツです。
聴衆を引きつけるポイントです。