オーディオの音をよくする(電源の振動を抑制する)

今回はピュアオーディオのアイソレーショントランスの振動抑制についてです。
オーディオシステに有害なものは、系統から入ってくるノイズと、オーディオ機器自身が発する整流ノイズ、高周波輻射(EMI)や電源トランス自体が振動することによる交流変調があります。
これらの要因を対策しないと決して良い音はしません。
外部からのノイズ流入、機器が発するノイズの両方を削減するには、間にフィルターリングする)アイソレーション電源(またはノイズカット)を挿入するのが有効です。
<Photo Data>2018/03/30 海老名清水寺公園にて(今年の桜も色づきはGoodです。)
EOS-1DX EF24-105mm f/4L IS USM
1/3200 f4 24mm 
ところが、このアイソレーション電源は、パワーアンプへの電力供給も行うため、大きく重い形状です。
電力搬送のため、コイル間にどうしてもギャップが生じるため、トランス自体の振動が起こります。
また、太陽光のインバーターはDCフリーではありません。運転開始時や遮断時の異常波形が系統に混じって来ます。DCに近い成分が含まれ、この時アンプがオンの時は、たちまち電源系に磁化影響を及ぼします。トランスの変換効率が悪化し、トランスに唸りが生じます。
唸りは機械的な振動によるものですが、一定の交流波形に無用な変調が載ってしまいます。

従って、アイソレーショントランスは、もし磁化したときは通電でひたすら待機です。アイソレーション電源の振動そのものは、トランスを良質なラックに載せてやることで対策します。
アイソレーション電源がしっかりしてないと、全てのオーディオ機器に影響します。アイソレーショントランスの振動は、オーディ機器よりしっかり対策した方が良いと考えています。

今までアイソレーション電源は、オーディオボードにTAOCピンプレートTITE25GPとしていましたが、TAOC ASR Ⅱ-1Sに変更しました。アイソレーショントランスの足は、オーディオボードとインシュレーターだけでも相当良くなりますが、十分ではありません。
今回、足回りもKRYNA T-PROP(M10 10mmネジType)x4に変更しました。TAOCのASRⅡのフットも、標準からOptionのスパイク&ピンプレートとしました(下は変更後の写真です)。
トランスからスパイクが二段、間にボードが入るという振動アースです。

この変更で、トランスの振動、床からの伝搬影響が相当抑制されていると感じます。
固有な変調音がなくなりました。低域から高域まで全レンジで抜けの良い音質です。
楽器やボーカルの重なりも、比較論ですが見事にとれました。
音場も申し分ありません。

音の抜け感は、単に抜けが良いだけではなく、サステインしなければならない音、ジャリンと鳴る新ヴァルでは、狭い範囲の広がりや時間が経っても伝搬していく制音が優れています。静かなステージでのギターの響など、私的なコメントですが気に入ったセッティングです。

ピンスパイクを使用するケースは、前にラックセットのページに記載しています。

セッティングでの注意事項を記載します。
通常、床は歪みがあります。トランスが重いからといって、足の長さを均等にして単に置くのではなく、スパイクでガタが無いようにアジャストしつつ追い込みます。ラックの四隅に押してガタが無いこと、拳でコンコンとたたいた時、固い音になるまでの確認がポイントです。

Kazunori Fukuma
1st 2018/03/31
2nd ヒアリングコメントの追加 2019/06/08

 

My profile
Kazunori Fukuma

職歴前半は半導体デバイス開発技術者、後半は経営者としてやってきました。事業の立て直しや新規事業育成、競争戦略などを得意としています。
きっとお役に立てると思います。
投稿は主にAudio、写真、Programingです。Audio歴は50年(長いだけですが)です。学生時代のライブ活動、研究テーマがノイズ抑制だったことなどがきっかけで、音の追求は今も続いています。

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