CDやPC-Audioは特に不満はありません。
でもレコードは昔聞いた音を聴きたいと思います。現在、イコライザーはアキュフェーズのスロットタイプ AD-2850です。音は、まだ購入したばかりでエージング不足です。そこで、フォノ用にもう一つの再生系を構築してみました。
RME社のDAC応用例を拝見しました。その中からStudio K’sの山本耕司氏の記事を参考に、Babyface Pro(DAC)とVintage Preを使ってイコライザーを構成します。
<Photo Data>2016/08/17 八ヶ岳清泉寮より富士山をのぞむ
Canon 5D MarkⅡ EF24-105mm f/4L IS USM 1/320 f/13
Vintage Preは仏社製yba 2αを使用します。ybaのイコライザーはシャーシの中に、更に金属ボックスに収められています。TypeはMM型ですが、ノイズ設計が特に優れています。
先ず、電源は筐体から分離されています。信号ラインに出来るだけシリーズに抵抗が入らないよう配慮されています。パーツもダイヤモンド入りコンデンサーなど特徴があります。
音色は暖色系です。
ybaの出力はRCAのみです。プリアンプはバランス入力としているため、イコラーザー出力にBabyface Proを挟みました。全体の構成は下記ブロックのようになっています。
(1)外部プリからイコライザー信号の取り出し
イコライザーの出力はybaのテープアウト端子(プリアンプによってはRECまたはREC OUT端子になります)から取り出します。
一般的に、テープアウト端子はインプットセレクターとつながっていることが多く、信号が汚れることがあります。ここは使用をフォノに制限して対処しました。テープアウトはボリュームを介さないため、とても音が良いのです。
(2)RCA/XLR変換ケーブル
テープアウトは、市販の6Nアクロリンク製RCAケーブルの一方をXLRコネクターに付け替えました。また、バランスアウトの2番と3番は入れ換えない欧州型接続とします。位相は、プリアンプでも切り替え可能ですが、ここではBabyface Proにて位相反転させました(アキュフェーズは3番ホット、Babyfaceは2番ホットです)。
下の写真は、右手前のXLRペアーがイコライザーからのL、R入力信号です。
(3)Babyface Proの設定
テープアウトのバランス出力はRCA-OUTのため反転成分がありません。このままではGain不足となりますのでBabyface Proでゲイン補正しました。
補正はちょっと原始的ですが、耳で聞いてラインレベル相当になるまでMac上でソフトウェアミキサーのゲインVolumeをまわして行います。
ついでに、フォノアウトの音に変化をつけるときは、Babyface Proのバンドイコライザーで補正します。
例えば、Wes Montgomeryのギターを当時の音に近づける場合など補正をかけていきます。
Babyface Proはプロ用の音響機材です。周波数帯域をバンド別にこまかく補正できますので好みの音に近づけることが出来ます。
もし、演奏も加えるというような場合では、Babyface ProにHi-Z入力やコンデンサーマイクロフォンのフォーンインプットにミキシングできます。
ミキサーの設定はMac上のTotal Mix FXで行います(左記写真)。
左上のAN1/2はXLRアナログ入力、アウトプットは写真左下のAN1/2のポートになります。
位相設定は入力AN1/2のサブクリックで画面をあけると出てきます。
(4)音質
CBS SONYのLP、TchaikovskyとMendelssohnのViolin concertos by David Oistrakh Eugene Ormandy The Philadelphia Orchestraを視聴しました。
使用カートリッジは 独ClearAudio社 Virtuoso、MM型のカートリッジです。
Babyface Proはかなり優秀です。色づけが無く、アナログ信号を通しても劣化は無いようにおもいます。
Vintage Pre ybaの音は、カートリッジが暖色系のせいもありますが、中低域が厚く、特にVocalが抜群に良いと感じました。
もし眠っているイコライザー(内蔵プリなど)をお持ちなら、一度は試してみると良いでしょう。
1stと一部見直し 2016/08/22
2nd 誤記訂正 2016/08/23
3rd 評価の部分修正 2016/09/12
4th 内容の見直しを行いました 2016/09/14
5th 誤記訂正と追記 2016/09/25
6th 評価追加と部分修正 2016/10/16
7th 誤変換などミス訂正 2016/10/18
8th 一部訂正 2017/05/12
K.Fukuma