レコードを高音質に再生するには

レコードはCDとは違った味があります。
懐かしい音を聴くという側面もありますが、レコードはCDに比べても再生帯域が広く、録音がよければいい音が再生出来ます。
でも、レコードは溝をトレースし振幅を拾う原理です。原音をいい音で取り出すには、振動に対する工夫をしなければなりません。
<Photo Data>2019/04/17
横浜煉瓦倉庫 ノルディックWalking途中での撮影
EOS-7D EF-S15-85mm IS USM
1/250 f5 ISO100

1.レコード盤について
ターンテーブルを考える前に、レコード盤についてちょっとチェックしてみましょう。
レコードの再生は溝を針でトレースすることで行います。レコード盤が経年変化などでゆがんでいたり、歪みがあると、溝の振幅をうまく取り出せません。ゆがんだレコードは盤とテーブルに隙間が生じ、空間鳴きがおこります。それなりの音はしますが、コンテンツの整理も必要です(盤が変形しているとカートリッジを痛めてしまうこともあります)。

2.レコード盤の密着について
この隙間を積極的に埋め、余計な振動を抑える方法があります。回転テーブルの剛性を高くし、レコードの上ににもおもりをのせます。盤とテーブルの密着度を上げるやり方です。
テーブルの中心部に向かってテーブルがすり鉢状に加工してあるものは、一層密着度を上げることができます。
さらに、おもりに除振効果を持たせたものもあります。
テーブルは重くなります。モーターのトルクも上げねばならず、モーターはテーブル直結型のものが多く見受けられます。

このTypeでほとんど問題はありませんが、駆動時のノイズと回転振動の影響を完全に抑えることができません。また、レコードの下部にモーターが来ることから、カートリッジへの漏洩磁束の影響もあります。ターンテーブルは磁束影響を減じ、回転振動を抑えた構造で無ければなりません。

3.ターンテーブルの駆動
ターンテーブルは、溝に刻まれた振幅以外の音楽と関係の無い振動を除かねばなりません。よりよい方法としては、テーブルとモーターをセパレートしたものがあります。

推奨の方法はベルト駆動です。
テーブルはベルトや糸で駆動させます。モーターが除振されていれば、レコードに振動は伝わりません。モーターとターンテーブルをベルトで離間していることがポイントです。
ターンテーブルの材質は、ベルトの場合は、金属ではなく、ガラスやセラミックといった少し軽めのものになります。

4.カートリッジ
レコードの溝から取り出す楽曲振動は、それこそ蚊が鳴くほど小さい振動です。MC型のカートリッジを使う場合、例えばDENONのDL-103の公称出力はわずか0.3mVしかありません。マグネットが動くMM型では、出力は一桁上ですが、それでもCDに比べると二桁も低い出力です。

5.出来るだけバランス増幅する
この様な小さな信号は、ほぼノイズベルに近く、カートリッジの後段のアンプはローノイズ増幅が必須です。
必要なゲインは、カートリッジからパワーアンプ入力まで、20log(2V/0.3mV)です。およそ76.5dBの増幅が必要です。
この増幅度は、一本のアンプで受け持つのは難しく、低音強調を戻すイコライザーとコントロールアンプと二つに分担させます。
特にイコライザー部分は、パワー用の電源トランスが内蔵されているパワーアンプとの同居は避けた方が良いでしょう。コントロールアンプもそうです。
音楽の背景を十分に引き出し、左右の混濁を最小化するには、アンプもセパレートにし、増幅も段階型にするのが望ましいのです。

セパレート型では、イコライザーとプリアンプは筐体は一つとしても、基板やトランスは分離するのが良いと考えます。

6.バランス伝送
信号結線と回路方式も一工夫必要です。カートリッジがMC型の場合、カートリッジからイコライザー間はバランス伝送とし同相ノイズを徹底しては排除させます。微小信号の伝送には望ましい結線方法です。

7.バランスアンプ
バランス伝送で受けたアンプはバランスアンプで増幅するのがベストです。
アンプ内の電源トランスも、別筐体が理想ですが、内蔵される時はトランスを電磁シールドしたものが良いでしょう。
信号切り替えも、アクティブラインだけの切り換えのものは避けます。

Kazunori Fukuma

1st 初稿 2019/07/18
2nd 誤記訂正 2019/07/23

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