今回はファイルメーカー販売管理の在庫の把握です。
販売管理で在庫を見るには、倉庫を設け入出庫伝票を発行して出し入れするのが一般的です。しかし、小規模の事業では仕入れや売上の実行と同時に、伝票レスで在庫処理しても構わないと考えます。
<Photo Data>すみませんオリジナルRAW画像が見つからず、TIFからのJPEG画像です。場所は近所の散歩コースです。
Canon EOS5DMarkⅡ、レンズは多分Zeiss Planar T* 1.4 /50 ZEだと、、、思います。
1.仕入れ実績テーブルを作る
在庫を見る為、今回仕入れを作ります。前回販売管理のリレーションとルックアップで作成したものに、仕入れ系のマスターと実績(「仕入れ先マスター」と「仕入れ実績テーブル」)を加えます。
仕入れ先マスターについては顧客マスターとほぼ同じです。構成等は省略いたします。
仕入れ情報は、「いつ」、「どこから」、「何を」、「どれだけ」買ったかということです。この購入に関する情報を「仕入れ実績」テーブルにフィールドとして作成します。
さらに、同じテーブルに集計用の「仕入れ実績の合計」というフィールドを追加します。(同一テーブル内に集計フィールドを作ることがポイントです。)
「仕入れ実績」テーブルのフィールド構成を下のスクリーンショットに載せました。「商品ID」は他のテーブルとの照合フィールドになります。
前回作った「売上実績テーブル」にも、仕入れと同様に「売上実績の合計」という集計フィールドを追加します。
両方の集計フィールドは、フィールドのタイプで集計を選び、「仕入れ数量」と「売上数量」を集計計算させます。
2.仕入れ実績入力管理レイアウト
次に、仕入れ実績を入力するレイアウトを作ります(下のスクリーンショットを参照下さい)。「仕入れ先ID」や「商品ID」を入力する時、「値一覧」を使ってマスターにある商品候補をリスト選択出来るようにします。
3.仕入れ及び売上実績Viewer
ここまでの作業で、仕入れ系の情報を登録編集出来るようになりました。最小構成ですが、この仕入れ系と売上系をつなぐとミニ販売管理となります。
次に、仕入れと売上を一票でチェックするViewerを作ります。下のスクリーンショットがサンプルです。
レイアウトの一番上は商品の選択、中央が仕入れ履歴(ポータル)、最下部は売上実績(ポータル)になります。仕入れと売上合計は、前記の「仕入れ実績の合計」、「売上実績の合計」という集計フィールドを貼り付けて使用します。
この例は100型パソコンという商品を計150台仕入れ、残念ながら未だ2台しか売れてないことを示しています。また、事例の売上日は仕入れ日より前となっています。在庫が無いときに売上がたっています。実際のプログラムでは、在庫がないとき売上をロックしてメッセージを出すようにします。
以上のリレーションは下記の様になります。販売管理としてはまだ簡単な構造です。
4.在庫
現在の残がどれだけあるかということが仕入れと販売のベースになります。在庫はこのプログラムでは、
在庫 =「仕入れ実績の合計」-「売上実績の合計」
です。
基準日起算で在庫を算出するには、リレーションに日付でフィルターして、スクリプトで演算して算出します。商品マスターでは、常にフレッシュ残を表示させたい時は、仕入れ、売上実績の集計フィールドの値を転記して、その差を在庫として求めても良いと思います。
(ポータルの集計計算の事例は、他のページに事例を載せています。ご参照下さい。)
商品マスターにフレッシュ名在庫を示す例です。「現残」という在庫を示すフィールドを設けます。その時のレイアウトを下のスクリーンショットに載せました。
該当商品が登録され、仕入れや売上実績があがると、在庫=現残が表示されます。
以上、本稿ではファイルメーカー販売管理のベーシックな部分を取り出して説明致しました。
販売管理の他の事例については本投稿内の例を参照願います。
1st 初稿 2016/09/17
2nd 文言修正 2016/09/18
3rd Photo入れ換えと在庫計算部分の修正追記 2016/09/19
4th 部分的な見直し2016/09/21
5th 一部文言見直し 2016/11/08
6th ファイルメーカーにカテゴリー変更 2017/06/25
K.Fukuma